単位とプロポーション - 1

2019年の11月にabstract projectで開催された企画展は、「建築とアートの共通項」がテーマでした。近代美術運動のひとつ、デ・スティルの空間構成は、(床・壁・天井を抽象化した)「面」の重ね合わせとズレが空間を生み出します。それを参考に、SLITを建築の空間構成モデルとして位置づけました。ズレと重なりを強調するために、それぞれのピースのエッジに着色し、額縁の効果を期待しました。

202210月に開催された2回目の「建築とアート展」には1cmの立方体を単位とし、それを組み合わせた一辺8cmの正方形によるピースをもとに作成したSLITで参加しました。

この二つはもちろん同じ考え方・方法で作成したものですが、ピースに対するスリット(=溝)のプロポーションの違いから、前者はピースによって囲まれる「空間」が、それに対して後者は、組み合わされたピース自体の「ヴォリューム」が視覚的に強調されることになります。以上のふたつは、「プロフィール」ページに写真が掲載されています。

3年の時を隔て、「単位とプロポーション」という新たなテーマが生まれます。そして、その「単位とプロポーション」を検証するために生まれたものがSLIT doubleです。